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筋肉を鍛えよう

 WHOが発表した2021年版の世界保健統計によると平均寿命が最も長い国は日本で84.3歳でした。しかし、健康寿命(日常生活に制限のない期間)との間には約10年の乖離があり、長寿国ではあるものの、必ずしも健康な状態で長生きしている訳ではないようです。健康な日常生活を送る上で要となる器官の一つが筋肉です。1)

◆◇筋肉の重要性2),3)◆◇

 立ったり歩いたり姿勢を維持したりする日常動作の基盤となる筋肉は生活の質に強い影響を与えますが、若年層の方にとっては筋力不足によって日常生活に支障が出ることはほとんどなく、実感することはほとんどありません。

 しかし、30代以降は徐々に筋肉量は減少していき、気づいた時には深刻な筋肉不足に陥ります。例えば、立ち上がる動作で主要な働きをする大腿四頭筋(太ももの全面に位置する筋肉)の80代における平均筋肉量は、30代の約半分程度であるという報告があります。

 この報告から考えると、30代のときに片足で立ち上がる筋力がなければ80代になったときに両足を使っても立ちあがることが困難になる可能性が高いということになります。

◆◇筋肉はリストラされやすい4),5)◆◇

 無重力の宇宙空間では、1~2週間で大腿四頭筋が15%減少したとの報告もあり、筋肉の刺激がない環境では筋肉量の減少が急速に進んでしまうことが分かっています。これは、筋肉が身体の中でエネルギー消費量が最も大きい組織であることが理由の一つとして考えられています。

 人類の場合、筋肉に加えて発達した脳も抱えていることから、筋肉に刺激が入らない状態では速やかに筋肉を減らしてエネルギーの消費を抑える仕組みが発達したと考えられています。

◆◇筋肉の意外な働き6)◆◇

 人間の体の中で、最も大量の水分を保持しているのは、実は「筋肉」です。筋肉細胞の水含有率が約76%もある上に、筋肉は成人の場合、体重の4割以上を構成する大きな組織であることから、筋肉が保持する水分は体内の約40%にも上ります。

 2番目に水分保持量が多い皮膚で約20%ですので、筋肉の水分保持能力は他の組織と比較して圧倒的と言って良いかもしれません。

 このことから、加齢とともに体水分量が減少する要因として、筋肉量の減少によるものが大きいと考えられています。体水分量が少ない人は脱水が進行しやすいと言われているため、筋肉を増やすことは身体を動かす機能を高めるだけでなく、体水分量を増やし、熱中症の予防にもつながると考えられています。

◆◇ウォーキングに加えて筋トレを始めよう7)◆◇

 60~70代の運動人口は増加しており、そのうちウォーキングが6割を占めているとの報告があります。ウォーキングは手軽に行える運動ですが、加齢に伴う身体能力の衰え(フレイル)予防の研究ではウォーキングに加えて週2回以上の筋力運動などが推奨されています。筋肉は高齢になってからでも鍛えれば増やすことができます。バランスの良い食事と規則的な生活習慣を心がけ、筋肉トレーニングにも積極的に取り組んでいきましょう。

参考)
1)WHO「WHO releases World Health Statistics report 2021 and global COVID-19 excess mortality estimates」
2)e-ヘルスネット「QOLの維持・向上に大切な筋肉は?」
3)日本老年医学雑誌, 2010:47:52-57
4)リハビリテーション医学,2006;43:186-194
5)e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」
6)人間と生活環境,6(2),85/91,1999
7)e-ヘルスネット「高齢者と運動習慣」

 

◆◇お近くの薬局・薬店でご相談下さい◆◇

 栄養のお話や、運動の際の注意点などは、お近くの薬局・薬店でもご相談ください。健康セミナーなどが開催されることもありますので、積極的に参加して、健康投資を続けましょう!

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