「いつ・なにを」食べるか
「なにを」食べるかに加えて、「いつ」食べるかに気をつけることが肥満や老化などに影響することが、最近の研究でわかってきました。これを「時間栄養学」といいます。「時間栄養学」をもとに賢く食べて、より健康な生活を手に入れましょう。
朝食をとるタイミング⇒起きてから2時間以内にとるようにしましょう。1)、2)
朝食は体内時計を朝にリセットする役目があります。また、その日を活発に送るための重要なエネルギー源になるので欠かさずに食べましょう。
朝食を抜くとどんな悪影響がおこる?1)、3)
朝食を抜いて、昼食や夕食の量が多くなると肥満を招きやすくなるとされています。また、朝食に限らず食事を抜き、空腹の状態が長く続いたあとに次の食事をとると、急激に血糖値が上がりやすくなります。急激な血糖値の上昇は血管を傷つけ、度重なると脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高くなると考えられています。
夜間勤務や海外出張などがある場合は?1)
生活スタイルに体内時計を合わせて対処することもできます。夕方や夜に起きる時間を朝だと見なして、起きたら早めに食事をとり、体内時計をリセットしましょう。
朝食でとりたい栄養素1)
炭水化物
人間が活動するのに欠かせないエネルギー源です。
たんぱく質
筋肉の量を増やしたり維持する働きがあります。 また、たんぱく質を夜にとるより朝にとるほうが、この効果が高いといわれています。
食物繊維
食後の血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。
昼食をとるタイミング⇒朝食を食べてから5時間後を目安にとるようにしましょう。1)
昼食でとってもよい栄養素1)
脂質をとるなら昼食がおすすめです。昼にとった脂質は体に蓄積されにくく、エネルギーとして消費されやすいと考えられています。また、日中に、消化・吸収に関わる臓器(小腸、肝臓、すい臓など)が最も活動的になります。
腹八分目の量を守って好きなものを食べましょう。
夕食をとるタイミング⇒朝食を食べてから10~12時間後以内にとるようにしましょう。1)、2)
昼とは逆に夜は消化・吸収に関わる臓器の活動量が低下します。脂質のとり過ぎに気をつけて下さい。食事の時間が遅くなるほど内臓への負担は大きくなるので、早い時間に夕食を済ませるのが望ましいといえます。
また、夜遅くに食事をとると、翌朝に食欲が湧かず、朝食をしっかり食べられない原因になります。
残業で夕食が遅くなる場合は?1)、2)、4)
夕方にとれるなら、少しでも軽食をとりその分夕食を少なくしましょう。その際は、夕方の軽食にカロリーの高いおにぎりのような主食系のものを食べ、帰宅後の遅い時間におかずや副食系のものだけを食べましょう。
夕食でおすすめの栄養素1)、5)
ナットウキナーゼ
血栓溶解作用があります。深夜から早朝にかけてできやすい血栓予防に。納豆に含まれる酵素です。
GABA
睡眠の質を高める作用があります。
トマト、じゃがいも、なすなどの野菜類や、納豆、漬物などの発酵食 品に多く含まれています。
ビタミンB6
GABAの生成をサポートするはたらきがあります。まぐろ、かつお などの赤身魚やにんにくに多く含まれています。
参考)
1)NHKテキストきょうの健康 2022年10月号 柴田重信・古谷明子
2)京都国民健康保険団体連合会「とっておき!健康情報」
3)Cell Metabolism 34, 1472–1485, October 4, 2022
4)『体内時計健康法』柴田重信・田原優 共著/杏林書院
5)日本ナットウキナーゼ協会HP
◆◇お近くの薬局・薬店でご相談下さい◆◇
栄養のお話や、運動の際の注意点などは、お近くの薬局・薬店でもご相談ください。健康セミナーなどが開催されることもありますので、積極的に参加して、健康投資を続けましょう!