かゆ~い水虫
by Toshiyuki Shimizu(湧永製薬 学術・営業薬制部)
水虫は日本人の4~5人に一人が感染しているといわれているほど、患者数の多い皮膚の病気です。足拭きマット、床、サンダルなどで感染が広がります。自分のためにも、家族など他の人への感染を防ぐためにも、早めに治療しましょう。
◆◇水虫は白癬菌というカビが原因
水虫は正式名称を足白癬と言います。高温多湿を好み、最盛期は梅雨の時期~8月です。白癬菌は、皮膚の角質層を構成するケラチンというタンパク質を栄養源とします。角質層は足以外の皮膚にもあるため、様々な場所に感染し、感染した場所によって病名が変わります。爪は爪白癬、体部はタムシと呼ばれます。
◆◇かゆくない水虫もある!
水虫は大きくわけて3種類あります。足の指の間の皮が白くふやけてジュクジュクする「趾間(しかん)型」、水泡がぽつぽつできる「小水疱型」のほか、足の裏、特にかかとの角質が硬く、表面がゴワゴワになる「角化型」があります。そして、角化型の足白癬と白癬菌が爪に侵入した爪白癬は、かゆみがないといわれます。かゆくないことは好ましいことですが、その反面、治療せずに放置し、感染を広げてしまうことにもなります。
◆◇水虫にならないために
白癬菌が皮膚についてもすぐに感染するわけではありません。白癬菌が角質層の中に進入するには24時間以上かかるといわれています。その間に拭いたり洗ったりすれば感染確率はぐっと低くなります。
①毎日の入浴はとても効果的
★石鹸で足の指の間までやさしく丁寧に洗いましょう(ごしごし洗いは悪化のもと)。
★洗った後は、よく乾かすことが重要です。
②靴下&靴
★靴下は吸湿性・通気性の良い綿や麻の素材を選びましょう。
★靴は履く時間を短く、毎日履き替えましょう。ムレないことが大切です。
③日用品、ペット
★いつも湿っている可能性のあるバスマットは白癬菌の棲家。いつも乾燥させておきましょう。
★白癬菌は剥がれ落ちた皮膚の中でも生き続けるほど生命力が強く、それに触れることでも感染します。スリッパを共用しない、こまめな掃除を心がけましょう。
★犬や猫などのかわいいペットにも白癬菌がいます。触った後は、手を洗いましょう。
④皮膚
★しっかり栄養を摂り、皮膚の抵抗力を高めましょう。
★タバコは控えめに(ニコチンの血管収縮作用により皮膚の再生が遅れ、水虫が悪化します)。
⑤水虫用塗り薬
★皮膚の角質層が新しく入れ替わるまでの少なくとも4週間は薬を続けましょう。治ったと思ってもすぐに治療を止めずに、しばらく(2~3ヶ月程度)は治療を継続することが再発予防になります。
★家族に水虫のある人がいれば、家族全員で治療しましょう。
★しばらくしても全く症状が改善しない場合は、医師に相談を!
参考)
1)水虫,NHK今日の健康2016.8
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