動脈硬化
by Nobuko Kodaka(湧永製薬 学術・営業薬制部)
2017年の日本人における主な死因第2位の心疾患と第3位の脳血管疾患の大多数は、動脈硬化が原因で起こっています。心疾患と脳血管疾患で亡くなった人数を合わせると、死因第1位の癌と同じくらいの数になります。健康な生活を送るためには、動脈硬化を予防することが大切です。
◆◇動脈硬化とは
動脈硬化とは、文字どおり動脈が硬くなることをいいます。 動脈は心臓から全身に血液(酸素と栄養)を送る血管です。本来、血管にはしなやかな弾力性があり、その中を血液がスムーズに流れています。 ところが、血管の壁が傷つくと、そこにコレステロールなどが付着して血管が厚くなり、さらに高血圧の影響を受けたり、カルシウムが沈着すると血管が硬くなっていきます。これが動脈硬化です。 動脈硬化を起こした血管は狭くなり、血液が流れにくくなります。進行すると血栓が形成され、体の様々な場所の血液の流れが妨げられてしまいます。
◆◇動脈硬化かどうか知るには
動脈硬化は、脳動脈、冠動脈、大動脈、手足の動脈など全身の血管で起こりますが、動脈硬化そのものには診断基準はありません。コレステロール値や危険因子等を考慮して、どのくらい動脈硬化が進んでいるかを推測します。
◆◇動脈硬化がもたらす病気
動脈硬化が起こっていても、症状を感じることはほとんどありません。しかし、そのまま放置すると血管が詰まったり破れたりして、心筋梗塞、狭心症、脳卒中などの重大な病気を引き起こすことがあります(右図)。症状を感じることがない動脈硬化ですが、心臓や脳等に影響が出てくると、息切れ、胸痛、手足のしびれ等が出てきます。これらは動脈が詰まっている時に起こりやすい症状です。
◆◇動脈硬化の原因
年齢を重ねると伴に血管はしなやかさを失うため、動脈硬化は一種の老化現象という面もあります。しかし、その進み具合は、年齢以外にも様々な要因が関係していると考えられています。一般的にLDL(悪玉)コレステロールが高いことに加えて、喫煙、高血圧、糖尿病、歯周病などの危険因子が多いほど動脈硬化になりやすくなります。
◆◇動脈硬化の進行を抑えるには
参考)
1)動脈硬化の病院を防ぐガイドブック,日本動脈硬化学会, http://www.j-athero.org/guide/
2)動脈硬化は怖い病気のはじまり,日本動脈硬化学会
3)食と運動で動脈硬化を予防,NHK今日の健康2015.6
◆◇お近くの薬局・薬店でご相談下さい◆◇
栄養のお話や、運動の際の注意点などは、お近くの薬局・薬店でもご相談ください。健康セミナーなどが開催されることもありますので、積極的に参加して、健康投資を続けましょう!