季節の変わり目は体調の変化に注意を!
季節の変わり目にはめまいを感じたり、雨が降りそうになると頭痛がしたり、関節が痛くなったりする—そんな経験をしたことはありませんか?天気の変化で不調を感じたら、それは気象病かもしれません。今回は、気象病とその対策についてご紹介します。
◆◇気象病とは?
季節の変わり目による温度差や、雨など天候の変化による気圧差によって、古傷が痛んだり、めまいや体のだるさといった心身の不調を感じたことがあると思います。天気の変化と病気との関係は昔から知られており、気圧、温度、湿度、日照時間などの気象要素の変化によって起こる体の不調を総称して「気象病」と呼ばれています。
また、気象病の中で、天気が崩れるときに慢性の痛みが増すものを、「天気痛」と呼んでいます。これは、普段から痛みの原因を持っている人(慢性痛)が、気圧が低くなることで頭痛や首・肩の痛み、関節痛、過去の怪我などが、悪化してしまうものを言います。
◆◇心の不調は自律神経の乱れ
気象病は、気象変化によって自律神経が乱れる事から起こります。 自律神経には安静時や夜に活発になる「副交感神経」と、活動時や昼間に活発になる「交感神経」の2つがあります。この2つの神経がバランスを取りながら、循環器、消化器、呼吸器など、私たちの体の活動を調節しています。
しかし、急激な気候や気圧の変化によって、副交感神経と交感神経のバランスが崩れてしまうことがあります。バランスが崩れ、副交感神経、交感神経のどちらかが強くなりすぎると、全身にその影響が及んで様々な症状となって現れます。 副交感神経の強い状態が続くと、体は休息状態が続き、無気力、手足の冷え、低血圧、だるさといった症状となって現れます。逆に、交感神経が強い状態が続くと、イライラや不眠、疲れなどが現れます。また、慢性痛は自律神経(特に交感神経)とリンクしていることが多くの研究で明らかとなっています。
◆◇内耳が関係している?
特に、影響が大きいのが気圧と言われており、梅雨や台風の時期は注意が必要になってきます。気圧の変化は、体のバランスを保つ器官が集まっている内耳が感知しています。内耳が感じ取った気圧低下などの情報は、内耳の前庭神経を通って脳に伝達され、それによって自律神経がストレス反応を引き起こすといわれています。
◆耳回りの血流を良くしよう
血流が悪いと内耳のリンパ液も滞り、めまいや頭痛が起こりやすくなると言われています。季節の変わり目には、耳回りの血流を良くするマッサージを取り入れてみましょう。
①耳を上・下・横に5秒ずつ引っ張る
②耳の横をつまみ、軽くひっぱりながら後ろへ5回、ゆっくりと回す
③耳を包むように折り曲げ5秒キープ
④耳全体を手で覆って、ゆっくり円を描くように後ろに向かって5回まわす
◆◇予防・改善のために
気温や天候をコントロールすることは出来ませんが、日常生活に注意することで季節変化から受ける影響を減らし、体調を崩してしまう回数を減らすことは出来ます。自律神経が乱れやすい人は、寒暖差や気圧の変動に耐えられる体づくりを心がけましょう。
**気象病への備え 自律神経の乱れを抑えるために**
自律神経の乱れを抑えバランスを整えるには
・規則正しい生活と十分な睡眠
~私たちの体には体温・ホルモン分泌などのリズムを整える体内時計があります。生活リズムが乱れると体内時計も乱れ、自律神経の働きにも影響を与えます。起床・就寝・食事の時間をできるだけ規則正しくすることが大切です~
・適度な運動を心がけましょう
・バランスの取れた食事を摂りましょう
・リラックスする時間をとりましょう
~音楽を聴いたり、ゆっくりぬるめのお風呂に入るなどリラックスした時間をとりましょう~
参考)
1)季節の変わり目は体調の変化に注意!(サワイ健康推進課)
2)佐藤淳.気象変化と痛み.脊髄がけ 2015,29(2):153-156
3)梅雨の体調不良に注意(第一薬品工業株式会社)
4)低気圧で体調不良になりがちな梅雨 職場環境を改善して労働効率アップ(M3 career)
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