後鼻漏
by Tomohiro Miura(湧永製薬 学術・営業薬制部)
鼻水や鼻づまりをそのうち治ると放置していませんか? ドロッとした鼻水がずっと治らない、鼻水が喉に垂れるなどの症状があれば後鼻漏かもしれません。鼻は呼吸に関わる大切な器官です。早期に適切な処置をしましょう。
◆◇鼻のはたらき
鼻は、皆さんもご存知の通り、酸素を取り込むというはたらきがあります。その際に空気中の細菌やウイルス、花粉などの異物の侵入を防ぎ、今の季節のように冷たい乾燥した季節の空気を加温・加湿したりしています。すなわち、鼻にはフィルターやヒーター、加湿器の機能があり、吸った空気が気管や肺に負担をかけないようにしてくれています。口呼吸ではこれらの機能が十分に働かないため、細菌やウイルスが侵入しやすくなったり、冷たい乾燥した空気が喉を傷めたりします。 つまり、鼻は空気を浄化して体に安心・安全な空気を取り込むのに大切な場所です。たかが鼻と思わず、異常があれば早めの対処をお薦めします。
◆◇後鼻漏とは
鼻水は1日に2~6L作られ、その内の約3割は鼻の奥から喉の方に流れ無意識に飲みこんでいます。しかし、細菌やウイルス、花粉などのアレルギー物質が原因で鼻水が増えると、喉に落ちていく鼻水の量も増えてきて、それが喉の違和感や咳の原因になります。またこの細菌やウイルスなどが鼻腔や副鼻腔と呼ばれる鼻周囲にある空洞に侵入し化膿の原因になると、ドロッとした粘り気の強い鼻水が出るようになります。粘り気が強いので自然には飲み込めず、強い鼻づまりを感じるようになります。これが後鼻漏です。 後鼻漏を来す原因は様々です。初期であれば、原因が特定しやすく比較的簡単に治療できますが、放置してしまうと原因の特定が難しく、治療が長引いてしまいます。もしかして後鼻漏かも?と感じたら放置せず、専門家に相談しては如何でしょうか。
◆◇後鼻漏の症状
後鼻漏の症状は鼻の症状だけではなく、下図のように頭やのどの症状として現れる事があります。鼻の悩みが多いのは風邪や花粉症などの時期です。しかし、シーズンが過ぎても軽い症状が長引いていたり、きちんとした対処を行わなかったりした事で、鼻炎が慢性化してしまう事があります。また生活習慣の乱れや体のバランスの乱れにより鼻の不調が起こる事があります。生活習慣を見直す事で鼻の不調が起こりにくい体作りをしましょう。
◆◇後鼻漏のチェックリスト
2か所以上チェックがあった方は後鼻漏の疑いがあります。
参考)・医薬ジャーナル社/副鼻腔のマネジメント、アプライ/鼻腔と副鼻腔疾患、幻冬舎/知られざる後鼻漏
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