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漢方薬あれこれ

コロナが流行してから、漢方薬に興味を持たれる方が増えているそうです。そこで、今月の健康情報では、漢方薬についてよく疑問になりやすい“あれこれ”を一部ですが、ご紹介します。

◆◇西洋医学と東洋医学の違い?1)◆◇

 西洋医学は、投薬や手術といった方法で、体の悪い部分に直接アプローチして治療していきます。一方、東洋医学では、体に本来備わっている自然治癒力を高め、患者自身が病気を治す手助けをすることを主眼としています。東洋医学の領域では、具体的には鍼灸やあん摩、漢方薬といった方法で治療を進めていきます。また、病気を未然に防ぐため、日頃から疲れを溜めず抵抗力をつけておくというのも、東洋医学の考え方です。

 

◆◇漢方薬とは1)◆◇

 漢方薬は、一般に数種類の生薬を組み合わせた「漢方処方」として服用します。生薬は、植物、動物、鉱物などを乾燥し、酒に漬けたり、蒸したりなどして効果を増強し、また、毒性を減じて作られます。生薬の薬効は未だ十分に分析されてはいませんが、2000年近い臨床実績を通じた経験的な薬理作用が把握され、その配合や運用のための処方理論も出来上がっています。

◆◇漢方薬の主な剤形2)◆◇

 漢方薬の剤形には、主に、生薬を直接煎じる煎じ薬と、煎じ薬中のエキスだけを抽出、濃縮したものを顆粒や粉末などにしたエキス剤があります。エキス剤はお湯に溶かして服用することもできます。

煎じ薬

(メリット)

・生薬本来の味と匂いの効果も期待できる。

・患者に合わせて細かな調製が可能。

(デメリット)

・30~40分程煎じなくてはいけない。

・保存料などが入っていないため、あまり日持ちしない。

エキス剤 

(メリット)

・作る手間がない。 

・持ち運べる。

・開封しなければ、有効期限が長い。

(デメリット)

・生薬の配分は決まっており、細かな調整ができない。

その他、煎じ薬に近い服用感・香りを手軽に再現できるお湯に溶かして服用する濃縮液体タイプの漢方薬や錠剤などもございます。

◆◇満量処方の漢方薬とは?2)3)◆◇

 満量処方の漢方薬とは、規定の上限量の生薬を使って作った漢方薬のことです。煮出す濃さによってエキス量が変わるので、同じ漢方薬でもメーカーによってエキス量が異なる場合があります。また、満量処方が良いとも限りません。自分に合った量の処方を薬局・薬店の先生と相談しながら選ぶのもいいでしょう。

◆◇漢方薬なら副作用がないの?4)◆◇

 漢方薬には副作用がないと思われている方もいるでしょう。確かに漢方薬は自然のものを使っていますし、長い歴史の中でその安全性も認められたものですので副作用が少ない傾向にあります。しかし、漢方薬にも副作用はあります。人によっては生薬が体質に合わないこともあります。また、妊娠中や高齢者、持病や他の薬を飲まれている方は特に注意が必要です。それ以前に、誤った判断に基づいて漢方薬を選ぶと、返って症状が悪化する可能性もあるのです。

◆◇エキス剤が飲みづらい時の工夫5)◆◇

・水を口に含み、エキス剤を水に落とすようにして飲む

舌に直接エキス剤が触れないため、味を感じにくくなります。

・オブラートに包んで飲む

エキス剤を包んだオブラートを数秒水に浸してから飲みます。

・嚥下補助ゼリーを使用して飲む 

各社から販売されています。他にジャムやピーナッツクリームなどに混ぜて飲むのも手です。

・ココアに溶かして飲む

ココアの美味しい苦味が漢方特有の苦みを和らげてくれます。

 元来、漢方は実践の医学であり、臨床経験が物を言う世界でもあります。気になることがあれば、ぜひ漢方に詳しい先生を薬店で見つけて相談してみて下さい。

 

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参考)

1)東洋医学おさらい帳/じほう 

2)ねころんで読める漢方薬/メディカ出版

3)漢方薬のストロング・エビデンス/じほう 

4)よくわかる東洋医学/池田書店 

5)Rp.+レシピプラス 2017年春号 Vol.16  o.2 よく出る漢方薬ABC/南山堂 

 

◆◇お近くの薬局・薬店でご相談下さい◆◇

 栄養のお話や、運動の際の注意点などは、お近くの薬局・薬店でもご相談ください。健康セミナーなどが開催されることもありますので、積極的に参加して、健康投資を続けましょう!

 

 

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