足は第2の心臓
足は血液を送り出すポンプのような役割をしていることから、『第2の心臓』と呼ばれるほど、私たちの身体にとって重要な働きを担っています。足の筋肉をきたえたり、マッサージをして血流をよくすることは、全身の血液循環をよくすることにつながります。
また、足にはたくさんのツボがあります。ツボとは、身体のさまざまな器官や内臓とつながっているとされる、末梢神経の集中した箇所のこと。ツボを刺激することで、対応する部位の鎮痛や、筋肉のコリの緩和などに効果があります。不調があるときに、押すだけで効果を実感できるのも、ツボ療法の魅力です。
東洋医学では小さな部分もすべて体の縮図であるという考え方があります。足先からひざまでを例にすると、足は頭を表し足首は首を、ひざまでの部分は胴体を表すと見ることができます。足裏を人間の縮図と見ることもできます。足の指から足裏、ひざまでマッサージして、全身の健康を維持しましょう。
ツボが不調改善に効くのはなぜ?
ツボは古代中国で生まれた治療法で、東洋医学では2000年以上にわたり、ツボを利用した治療が行われてきました。WHOが定めたツボの数は約360あり、全身に点在しています。中でもひじから先の手、ひざから下の足には、さまざまな不調の改善に役立つ「万能ツボ」がたくさんあります。
ツボ治療の基本には「経絡(けいらく)」という考え方があります。東洋医学では、人の身体には経絡という道の流れがあり、そこは「生命のエネルギー」の通り道になっていると考えられています。この流れがスムーズだと、身体のバランスが保たれるため健康でいられますが、流れが滞るとバランスが崩れて体調を崩し病気になるといわれています。
主要な経絡は 14 本。それぞれが特定の臓器と深い関係にあり、そのルート上にあるのが「ツボ」です。ツボを押すと痛いと感じるのは、臓器に不調が生じている証拠。この関係性を利用して治療をするのが、東洋医学です。外から見えない臓器や器官の異変を診断したり、ツボに刺激を与えてコリや痛み、臓器の不調、疲労やストレス、不眠などの症状を改善することができるのです。
まだまだある足ツボマッサージの効果
足ツボマッサージは、弱った機能を回復させるだけでなく、ほかにもさまざまな効果があります。足は心臓から遠いため血流が悪くなりやすく、 体のなかでもっとも冷えやむくみの症状が出やすい箇所です。足ツボマッサージを行うことで、溜まりがちな老廃物を流し、血液の流れを改善。足裏だけでなく、足首を回したり、ふくらはぎをマッサージすれば、より効果的にむくみを解消できます。
また、足には自律神経を整えるツボもあるので、刺激することで身体が温まり、リラックス。就寝前に行えば、スムーズな眠りへと導く手助けをしてくれます。さらにマッサージを行っていると、徐々に足裏の筋肉がやわらかくなり、クッション性が上がるため、歩行も安定してきます。転倒などの危険性が減るだけでなく、身体のバランスがよくなるため、 腰痛などの改善も期待できます。
日常、足には大きな負担がかかっています。足のツボを押すことは全身の健康増進にも役立ちますので、毎日お風呂上がりに 10 分程度、マッサージすることを日課にしましょう。
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