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Hobby life 暮らしを彩る趣味生活

健康寿命をのばそう

シニアこそ筋トレ!健康寿命のカギは”筋肉”

 「最近、よくつまずく」「歩くのが遅くなった」「階段を下りるとき、手すりがないと怖い」など、普段の生活のなかでこのようなことを感じているなら、筋力が低下している証拠です。 筋力は筋肉の量と関係しているため、「筋力の低下=筋肉量の減少」といえます。
 私たちの体の筋肉は、筋力トレーニングを行っていなければ、 20 歳代をピークに少しずつ減り始め、40 歳代以降は1年に約1%ずつ減り、 70 歳代になると、20 歳代のころと比べて筋肉量は半分近くまで減少します。
体を動かす、支える筋肉が半分になると、生活のさまざまな場面で支障が出てきます。例えば、脚が十分に上がらないのですり足気味になる、ちょっとした段差でつまずきやすくなります。さらに筋肉の量が減ると、歩くことも難しくなります。つまり、筋肉の量を減らさず、増やすような対策を行うことで、いくつになっても自分の足で歩くことができるようになります。
 “人生100年時代”といわれる今、元気で長生きするためには、シニアこそ筋トレを行って筋肉をつけることが大切です。

老化を食い止めるために下半身の筋肉を鍛えよう

 昔から「老化は足から」といわれますが、的を射た言葉です。私たちの体には大小さまざまな筋肉がありますが、大きな筋肉はほとんど下半身にあり、加齢とともに下半身の大きな筋肉の量が減少します。すると、足腰に衰えを感じるようになります。そのため、老化を食い止めるためには、下半身の筋肉を鍛えることが大切。筋トレでは、大腰筋、太ももの筋肉、お尻の筋肉、ふくらはぎの筋肉を重点的に鍛えると良いでしょう。
 筋肉は私たちの体の中で唯一、何歳になっても増やすことのできる器官です。80 歳でも90 歳でも、筋トレを行うと筋肉を増やせることが研究でも証明されています。さらに、筋トレの効果は体力アップだけでなく、最近の研究では脳を活性化することもわかっています。他にも、糖尿病など生活習慣病やがんを予防する、太りにくくなる、腰や膝の痛みを軽減する、正しい姿勢を保持するなど、心と体にいいことがたくさんあります。

健康長寿を実現するための筋トレに取り組もう

 シニア層が行う筋トレは「健康長寿を実現するため」のものですから、無理は禁物です。70 歳でも80 歳でも、誰もが安心して取り組むことができ、十分な若返り効果が得られるものでなくてはいけません。今回紹介するものを週に3日ほど行ってください。筋トレは休むことも大切なので、週4日はお休みします。筋トレは続けることがいちばん大切です。習慣化するまでは、まずは3週間取り組んでみましょう。
 脚力を強化する筋トレを始めると、3週間を過ぎるころから次のような変化が見られるようになります。
□つまずきにくくなった
□散歩などで息切れしにくくなった
□階段を上るのが楽になった
□階段を下りるのが怖くなくなった
□立ち上がるとき、よいしょといわなくなった
このような変化を実感できると、筋トレに取り組む気持ちも前向きになります。ぜひ、日々の変化を感じてください。

ウォーキングは1週間で帳尻を合わせる

 最近では健康のためにウォーキングを取り入れている人も多くいます。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は脂肪を燃焼させる、血流をよくする、持久力を高める、動脈硬化を予防するなどの効果があります。これらの効果を得るためにも、筋トレで下半身の筋肉を増やしましょう。筋肉量が増えると、以前より軽快に歩けたり、長い距離を歩けるようになります。
 よく健康のためには1日1万歩といわれますが、 70 歳を過ぎれば1日7000歩を目標にすれば十分です。そして、7000歩は1日の合計歩数と思ってください。歩数は足し算でいいのです!最近の研究では1週間の足し算でもいいということもわかってきました。天気がよければ多めに歩く、雨であれば少しにするなどして、1週間で帳尻を合わせましょう。
 それともう一つ、健康寿命の延伸を実現するために大切なのが、食事です。筋肉を増やす材料となるのはたんぱく質です。「筋トレ」「ウォーキング」「食事」の3つが一体となった生活を続けることが、健康で幸せな人生を送ることにつながります。

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今回お話を伺ったのは

久野 譜也 先生

筑波大学人間総合科学学術院 教授。博士(医学)。専門は健康政策。

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