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姿勢と歩き方を見直そう

 年齢を重ねると、以前のように思い通りに動けない、長く歩けないなどと感じることがありませんか。これは歩行や姿勢を保つ筋肉がうまく使えていないことが関係しています。今回は『百歳まで歩く 正しく歩けば寿命は延びる!』の著者でもある田中 尚喜先生に正しい姿勢と歩き方を教えてもらいます。

なぜ姿勢が崩れるのでしょうか

 臨床学的にみると、 50 歳中盤ごろから姿勢を支えるおしりの筋肉、大臀筋の筋肉量が落ち始めます。加齢や歩行不足などで大臀筋が衰えると骨盤が前傾するなど、体のバランスが崩れ、猫背になったり、 反り腰になったりと姿勢が悪くなります。特に女性に多い傾向です。
 姿勢が悪くなると、体にもさまざまな悪い影響が出ます。正しい姿勢であれば呼吸したときに多くの空気を取り入れることができますが、 姿勢が悪いと新鮮な空気を取り入れることができなくなり、汚れた空気を出すことが難しくなります。体内の酸素の巡りが悪くなるんです。 また、骨盤が過剰に前傾すると、骨盤内の血流が不足し、不妊症や冷え性など婦人科系の病気につながるとも考えられています。
 正しい姿勢を維持することは健康を保つだけでなく、100 歳まで歩き続けられる体づくりにつながります。

100歳まで自分の足で歩くために

 歩くという動作は、片方の足に重心をのせて体を支え、もう片方の足で後ろから前へ重心を送り出す行為です。この際に重要になるのが大臀筋です。そして歩いているときに片足で体重を支えているのが内ももにある大内転筋、地面を押し出し前進するために働くのがふくらはぎの奥にあるヒラメ筋です。長く歩くためにはこの3つの筋肉を重点的に鍛える必要があります。また、姿勢の改善には、背部の首下から腰椎まで縦に走る多裂筋を鍛えるのが効果的。 正しい姿勢を維持する役目を担っています。
 100歳まで歩くことを目標にするのであれば、歩行と姿勢の改善に必要な筋肉だけを鍛えれば大丈夫。トレーニングは毎日か隔日、1~5分程度行いましょう。毎日のトレーニングは、運動神経や脳にも良い効果をもたらします。トレーニング中は、どの筋肉を動かしているのかを理解し、意識することが重要なので、始める前に自分で触れてみるのも効果的です。

正しい歩き方と取り入れたい生活習慣

 正しく歩くためには、歩き出 す際に前足のひざはなるべく曲げないようにしてかかとから着地し、後ろ足は母趾(親指の先)の指腹を使ってけり出すことを意識します。ここに大臀筋の上部繊維のスイッチがあり、 母趾の指腹が地面に触れることで、働くようになります。この歩き方を意識すると、自然と小股になり、正しい歩行へ近づきます。腕は自然に振り、背筋ものばしましょう。
 ここでおすすめしたいのが、1日1回の「後ろ歩き」です。トレーニング方法を紹介しますので、ぜひ1日5分続けてみてください。不安な場合は、手すりなどのあるところで練習すると安心です。重心移動がスムーズになり、正しい歩き方を身につけることができ、歩行寿命を延ばすことができます。

 また、歩行能力に衰えを感じる人は「杖」を使って歩きましょう。杖を使うことで、腹筋が鍛えられ、曲がった背中を伸ばし姿勢を改善する効果があります。筋力低下により歩かなくなるより、比較的早い段階で杖を使うことをおすすめします。
 歩く歩数は普段の生活+1時間の歩行を目標にします。日常生活の中でも3000~4000歩は歩いているものです。それにプラスするためには、毎日どこかへ行く目標を立てる、用事をつくれば歩けます。
ただし無理は禁物です。痛みが強すぎるときは落ち着くまで様子をみて、できる範囲でひざの曲げ伸ばしをしたりし、筋肉の萎縮を防ぎましょう。
 正しい姿勢と歩き方で100歳まで元気に歩くことを目標に、今日から取り組んでみてください。

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今回お話を伺ったのは

田中 尚喜 先生

理学療法士(運動器専門理学療法士)。JCHO東京新宿メディカルセンターリハビリテーション室リハビリテーション士長。

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