「熱冷ましの薬は何度で飲めばいい?」「インフルエンザの予防接種は必要?」「痛み止めの貼り薬、 なぜ直射日光に注意?」
- 「発熱時」の薬は、体温が何度くらいの時に
飲むのがよい? 「発熱時」に使う熱冷ましの薬は、体温を平熱まで下げるためではなく、高熱による不快感を和らげるために使う薬です。そのため、何度以下では使ってはいけない、何度以上であれば使わなければならない、という基準は特にありません。熱が高くて体がだるい・つらい・眠れないといった場合に使用してください。
なお、インフルエンザの時に「アスピリン(アセチルサリチル酸)」や「ジクロフェナク」などの薬を使うと、インフルエンザ脳症のリスクを高めてしまうため、避けるようにしてください(※「アセトアミノフェン」が安全です)。
- インフルエンザの予防接種は効果的?
インフルエンザの予防接種で得られる「感染・発症を防ぐ効果」は、平均して60%程度です。これは、100人中10人が発症する事態を、100人中4人が発症する事態にまで減らす、という意味です。100%ではないため「接種していても発症する」ことは起こり得ますが、現状できる予防方法としては最も効果的な手段とされています。また、もし感染・発症してしまったとしても、ワクチンを接種していれば死亡率や入院リスクを半分以下に抑えることもできます。
昨年末から今年の冬にかけてインフルエンザは猛威を奮いました。今シーズンはワクチン接種を考えてみてはいかがでしょうか。
- 痛み止めの貼り薬、なぜ直射日光に注意?
痛み止めの貼り薬や塗り薬の中には、使用した部位を直射日光に当てると皮膚炎(光線過敏症)を起こすものがあります。そのため、薬を使用している場所は衣服やサポーターなどで覆い、紫外線から守るようにしてください。特に「モーラステープ」のような「ケトプロフェン製剤」は、部位に薬を貼っている間だけでなく、テープ剤を剥がした後も最低4週間は直射日光を避ける必要があります。
痛み止めの外用薬は、つい家族や友人がケガをした際などに譲ってしまいがちですが、決して副作用の少ない薬ではないため、自分に処方された薬は他人に譲らないようにしてください。
今回お答えいただくのは
児島 悠史 先生
薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CLレベル6 / Fizz-DI代表