「薬歴とは何?」「薬を調剤するときに薬剤師はどんなことをしているの?」「薬と食事の関係」
- 薬歴とはなんでしょうか?
「薬歴(薬剤服用歴)」とは、いつ、どんな薬を、どのくらいの量・期間処方されたのか、その際に患者と薬剤師の間でどんな話をしたか、といった内容を毎回記録している、薬局版のカルテのことです。この「薬歴」があることで、以前に副作用が起きた薬をうっかりまた使ってしまうことを防いだり、ライフスタイルや職業に合わせたアドバイスをしたりすることができるようになります。かかりつけの薬局があれば、1つの「薬歴」で自分の薬をすべて一元管理してもらえるので、より安心です。
- 調剤に関して
「調剤」とは、医師から発行された処方箋の内容を確認し、薬剤を計数・計量して患者に渡すまでの一連の作業の総称です。薬には、似たような名前で全く作用の異なるもの、同じ薬でも含まれる成分量が大きく異なるものがたくさんあります。間違った薬を服用して健康被害が出ないよう、細心の注意を払って薬を取り揃えます。
また、医師の処方内容が患者の病状や年齢・体質に対して妥当か、他で使っている薬やサプリメントも含めて飲み合わせに問題はないか、その人のライフスタイルや職業に大きく支障をきたすような副作用のリスクはないか(例:運転手に眠気の起こる薬など)といった確認にもかなりの時間を費やしています。
- 薬と食事の関係
薬には、その吸収に食事が大きく影響するものがあります。そのため、「食後」や「食前」といった指示を守らずに服用すると、吸収が阻害されて効き目が弱くなったり、反対に吸収が促進されて副作用が出てしまったりすることがあります。また、空腹時に服用すると、胃を荒らしやすい薬(例:痛み止め)もあります。薬は、基本的に1日3食を規則正しく摂る人の生活を基準に設計されています。朝食を食べない、食事の時間が不規則といった生活をしている人は、自分のライフスタイルに適した服用方法を薬剤師に相談してください。
今回お答えいただくのは
児島 悠史 先生
薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CLレベル6 / Fizz-DI代表