「睡眠薬の服用を続けてもいい?」「血中濃度と薬の関係とは」「薬の投与日数はどうやって決まるの?」
- 睡眠薬の服用を続けてもいい?
医師・薬剤師の指示通りに使用している限り、基本的に大きな副作用や依存などの心配は必要ありません。しかし、睡眠薬は不眠の症状が原因で日中の生活に支障がある場合に、一時避難として使う薬です。昼寝をし過ぎない、カフェインを摂り過ぎないといった生活習慣の見直し(不眠の根本的な原因解消)なども併せて行うことが大切です。
なお、一般的に成人では7〜8時間の睡眠が推奨されていますが、時間にこだわり過ぎないようにすることも大切です。
- 血中濃度と薬の関係について
一般的に、薬は私たちの体の中に入ると血液中に溶け込んで全身に運ばれ、効果を発揮します。このとき、血液中にある薬の量を「血中濃度」と呼びます。薬の血中濃度が高過ぎると、副作用(中毒)を起こすため、ちょうどよいくらいの濃度で維持する必要があります。薬の用法・用量は、この濃度を維持するための飲み方で設計されています。
そのため、朝夕の薬をまとめて1回で飲んだり、薬を勝手に調整すると、病状が悪化したり、副作用を起こす恐れがあり大変危険です。薬の用法・用量は必ず守って使用し、もし疑問や不安がある場合には医師・薬剤師へ相談するようにしてください。
- 薬の投与日数はどうやって決まるの?
薬の投与日数は、その人の疾患や病状によって決まります。風邪などの急性疾患であれば必要最低限の期間で、高血圧などの慢性疾患であれば経過観察として次の診察が必要なときまでの期間で処方されます。
ただし、中には法律で投与日数の上限が決まっているものがあります(例:睡眠薬)。こうした薬は、たとえ年末年始や大型連休の際でも多めにもらうことはできないため、早めに主治医の先生と相談して事前に準備しておくようにしてください。
今回お答えいただくのは
児島 悠史 先生
薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CLレベル6 / Fizz-DI代表