内臓脂肪減少薬について
- 内臓脂肪減少薬(オルリスタット)ってどんな薬ですか?
「オルリスタット」は、『アライ』という名前で2024年4月に発売された肥満治療薬で、ドラッグストア等で医師の処方箋なしに購入できる薬です。油を分解する酵素「リパーゼ」の働きを邪魔することで、油を消化・吸収させることなく、そのまま排泄させる作用があります。
- どのくらいの効果がありますか?
効果には個人差がありますが、6~ 12ヶ月でBMIが 0.8ほど下がるくらいの効果が確認されています。「治験で 10㎏以上の体重減少効果が確認された」という情報を目にすることがあるかもしれませんが、これは平均BMIが 37を超える過体重の人が、薬と併せて1日800kcalまでの食事制限と、1日1㎞以上のウォーキングを1年間継続した際のデータであることに注意が必要です。
- どんな副作用に注意すれば良いですか?
「オルリスタット」の特徴的な副作用は〝下痢〟です。油が消化されずにそのまま排泄されるため、油っぽい便になり、気づかないうちに便が漏れて下着を汚してしまう、といった事態を、薬を使った人の9割以上が経験したとされています。薬を使う際にはこうした〝下痢〟に関連したトラブルに十分注意しなければなりません。

今回お答えいただくのは
児島 悠史 先生
薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CLレベル6 / Fizz-DI代表