整腸薬についての疑問に答えてもらいます
- 整腸薬とはどんなお薬ですか?
ヒトの腸内には色々な菌が棲んでいますが、大雑把に分類すると、ヒトに良い影響をもたらす「善玉菌」、悪い影響をもたらす「悪玉菌」、どちらでもない「日和見菌」の3つに分けることができます。整腸薬は、この「善玉菌(例:乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌)」を腸に届け、腸内環境を整えることで便秘や下痢の症状を改善する薬のことを指します。副作用が少なく、乳幼児から高齢者まで幅広い人が気軽に使えるため人気があります。
- 菌種によって効き目が違う?
現在のところ、整腸剤に配合されている菌のタイプによって効果や安全性に目立った違いは確認されていませんので、厳密な使い分けを考える必要はありません。自分の気に入ったもの、飲みやすいものを選んでOKです。場合によっては、薬ではなくヨーグルトなどの食品を利用しても良いです。ただし、血液をサラサラにする「ワルファリン」を服用している人は、「納豆菌」を配合した整腸薬を避けるようにしてください。
- 長期間服用しても問題ない?
整腸薬は、使い続けることで何か副作用が起きたり、薬が効きにくくなったり…といった心配をする必要はありません。「善玉菌」は、腸内で増えたり減ったりを繰り返しながら生息しているため、定期的に「善玉菌」を補充することは、腸内環境を整える意味でもむしろ重要です。ただ、味気ない整腸薬よりも、食品としておいしい乳酸菌飲料などで続ける方が良いケースもあります。
今回お答えいただくのは
児島 悠史 先生
薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CLレベル6 / Fizz-DI代表