災害時に備えたい薬
- お薬手帳は常に携帯していたほうがよいでしょうか?
かかりつけの病院で診察を受けられないこともある災害時は、いつも使っている薬の名前を正確に確認できる「お薬手帳」が役立ちます。この手帳があれば、病歴やアレルギー、副作用歴などの情報が医師や薬剤師にもきちんと伝わり、より適切な治療ができます。また、対応してくれる医療スタッフが頻繁に入れ替わることがある災害時は、引継ぎをスムーズにする役割もあるでしょう。お薬手帳をお守りと考え、常に携帯することをおすすめします。
- 常用薬は何日分用意するべきでしょうか?
災害が起きた直後は病院や薬局の薬の備蓄がなくなり、必要な薬が手に入らなくなることもあります。定期的に服用している薬がある場合は、3日〜1週間分を予備用としてすぐ出せるようにし、家族にも保管場所を伝えておきましょう。ただし、1型糖尿病など、薬が無くなると命に関わる病気の方は、薬の予備は2週間程度を目安にしてください。薬は内服薬と外用剤ともに使用期限がありますので、定期的に新しいものと交換することが必要です。
- そのほか揃えておくとよいものはありますか?
災害時は、避難所など慣れない場所での生活で体調を崩す人も多いため、家族が使える痛み止めの飲み薬や貼り薬、胃薬や整腸剤などがあると安心です。また、避難所では食事内容も偏るため、愛用のサプリメントや、飴などの甘いものも少しあると良い気晴らしになります。ほかにも殺菌消毒液、湿布、抗菌効果のある目薬、虫刺されやかぶれなどに効くかゆみ止めなどの医薬品や、ガーゼ、包帯、絆創膏などの衛生用品もあるといいですね。
今回お答えいただくのは
児島 悠史 先生
薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CLレベル6 / Fizz-DI代表