貼り薬についての疑問に答えます
- 貼り薬は、貼った場所にしか効果がないですか?
確かに、痛み止めの湿布薬などは主に貼った場所で効果を発揮します。しかし、どこに貼っても全身でしっかりと効果を発揮するものもあります。たとえば、狭心症の治療で使う貼り薬(例:ニトロダームTTS、フランドル)は、“心臓の薬”なので左胸に貼る人が多いですが、いざという時にAED:自動体外式除細動器の邪魔になるため、腰や上腕・腹・背中など電極パッドの邪魔にならない場所に貼ることが推奨されています。
- 痛み止めは、飲み薬と貼り薬で何が違いますか?
痛み止めは、同じ成分の薬であれば「飲む」「貼る」「塗る」で効き目に大きな違いは現れません。しかし、飲み薬は胃や腎臓に負担をかけやすい、貼り薬や塗り薬は皮膚のトラブルを起こしやすい、という弱点がそれぞれあるため、自分の体質に合ったものを選ぶのが一般的です。また飲み薬は、基本的に貼り薬や塗り薬よりも安価なため、経済的な視点で考えることも大切です。
- 痛み止めの貼り薬を使うときの注意点を教えてください
一部の痛み止めは、薬を貼ったり塗ったりした場所に直射日光を当てると、強いアレルギーを起こすことがあります。そのため、肌が露出する場所には使わない、もしくは薬を使った場所はしっかりと衣服で守るといった対策をしてください。特に、アレルギーは薬を使い終わってからでも起こることがあるため、薬を使っている間だけでなく、薬を最後に使ってから4週間は注意を続ける必要があります。
今回お答えいただくのは
児島 悠史 先生
薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CLレベル6 / Fizz-DI代表