高血圧の薬について
- 高血圧の薬は、何のために飲むのですか?
血圧が高いと“血圧を下げる薬”を処方されますが、これは血圧が高い状態が続くと全身の血管に負担がかかり、脳出血や心筋梗塞、腎障害などの臓器トラブルを起こすことになるからです。つまり、高血圧の薬は「血圧を下げること」ではなく、「高血圧による死亡・臓器障害を防いで健康に長生きすること」を目的に飲むものです。そのため薬で血圧が下がっても、そこで治療は終了ではなく、その“血圧が落ち着いた状態”を維持し続ける必要があります。
- お薬を飲み忘れたときは、どうすればいいですか?
基本的に、高血圧の薬は1回や2回飲み忘れたからといって、すぐに生命に直結するような影響はありませんが、あまりに飲み忘れが多いと血圧のコントロールに悪影響を及ぼします。薬を飲み忘れた場合にどうすべきかは、その人の薬のタイプや治療方針によって異なるため、予め医師・薬剤師に相談しておくことをお勧めします。なお、薬を飲み忘れたからといって一度にまとめて2回分の薬を飲むと、必要以上に血圧が下がってめまい・転倒を引き起こす恐れがあるので危険です。
- ほかの薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
世の中には、高血圧の薬と「一緒に飲んでも大丈夫な薬」も「一緒には飲まない方が良い薬」もたくさんあります。そのため、新たにほかの薬を処方してもらう際には、いま自分が飲んでいる薬が何か、医師・薬剤師へ“正確に伝える”ことが重要です。このとき、「血圧の白い錠剤」というような情報だけではどの薬かを特定することはできない(該当する薬が無数にある)ため、「お薬手帳」を活用することを強くお勧めします。
今回お答えいただくのは
児島 悠史 先生
薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CLレベル6 / Fizz-DI代表